隣室の患者さんはまだいたが、メンバーは殆ど入れ替わっていた。
ディルームで、色々な患者さんとお話する。
駅前まで散歩し、花屋の店頭にある、美しい花々に
心打たれる。
銭湯でのんびりと湯につかる。
前回のキリキリした気分がすっかりと消え、とても楽になった。
「やり直すことができる」
と思った。
勿論、過食嘔吐はしなかった。
2週間の入院。
退院前日に、仲よくなった男性が映画に誘ってくれた。
久しぶりの電車に恐々と乗り、デートを楽しんだ。
患者さんたちも好意的で、私たちの仲を応援してくれた。
前回の退院時、点滴がもれて腕がパンパンに浮腫み、
泣き泣き帰った。
今回は笑って、患者さんや看護師さんに手を振ることが
できた。
「過食嘔吐の代わりに、何か習い事などをすればいいですね」
と先生はおっしゃった。
何をしよう・・・。
お華も習いたいし、絵もやりたい・・・。
早く帰る日を決めて、習い事も始めよう。
希望にあふれる4月。
治った・・・、と思った。